2025.09.22
今日のすぎのこ
行事・イベント
第3回「親学塾」を開催しました。
きょうは、秋晴れのすがすがしい一日になりました。日中の湿度は50%前後で、いままでの蒸し暑さを忘れさせてくれるさわやかな陽気でした。きのうまでの南風は北寄りの風に変わって、どうやらこの風が秋の空気を運んできてくれたようです。
その秋晴れの下では……、
この陽気を待ちわびていたかのようにお子さまたちが園庭に出てきて、秋の風を感じながらお友だちや先生との楽しい時間を過ごしていました。
お日さまの角度が少し低くなったからでしょうか、秋のやわらかな陽ざしがお子さまたちの輝いた表情をより一層、引き立ててくれているように思います。
朝のお遊びのひととき、「いちご組」さんはお部屋の前の「のんびりテラス」に腰かけて、先生との触れ合いタイムを満喫……。
その奥では、もう一人の先生が絵本の読み聞かせをしていました。なんだか、「秋」らしくていい感じです。
そして、「秋」といえばこちら。「どんぐり」です。きょうは、年中さんのお友だちが「どんぐり」をたくさん持ってきてくれたので、先生がきれいに洗って乾燥させていました。このあと「どんぐりくん」たちは、いったいどのように姿を変えていくのでしょう。それも楽しみですね。
さて、きょうはタイトルにもありますように今年度3回目となる「親学塾」を開催しました。講師としてお招きしたのは、臨床発達心理士の鈴木敦子先生です。鈴木先生は、て神奈川県私立幼稚園連合会において相談員として多くの子育て相談に対応してきた経験をお持ちです。ですから、きょうのご講演では、近年多く寄せられる相談内容を基に、それぞれのケースについて具体例を交えながら解決のヒントをお話ししてくださいました。
ここで気になるのが、「多く寄せられる子育て相談」の内容です。これらの具体例を挙げますと、「癇癪」「パニック」「気持ちの切り替えが難しい」「感覚が過敏」などで、これらの事例とお子さまの発達度合いについての相談が多いようでした。
上記の例を基にしまして、先生は「子どもの育ちにとって、これだけは重要な2点」を挙げてお話しを進めてくれました。その一点目が、「癇癪」と「パニック」です。「癇癪」と「パニック」がなぜ重要な問題なのかといいますと、「癇癪」や「パニック」が起きている間、脳は一時的に思考停止になってしまうのだそうです。これはその間、脳の発達が止まってしまうことを意味します。つまり、「癇癪」や「パニック」の発生が多くなりますと、脳の発達がどんどん遅れてしまうわけです。したがって、「癇癪」や「パニック」を起こさせないことが大切なのですが、その原因は当然、ひとりひとり異なります。ですから、解決方法もそれぞれ異なるわけで、鈴木先生はこのことについて「その子にあったオーダーメードの解決方法が大切なんです」と仰っていました。
重要ポイントの二点目は、「睡眠」です。ここで意外だったのは、先生の「3歳以降の昼寝は不要」とのコメントでした。同時に「小2までは、連続で最低10時間の睡眠が必要」とのコメントも……。実は、脳のメンテナンスには、これだけの十分な睡眠が必要なのだそうです。
以前に読んだ本で、問題行動が多く発達障害が疑われたお子さまの生活習慣を調べたところ、その多くが睡眠不足で、環境を変えて十分な睡眠時間を確保し、生活習慣を整えたら症状が大きく改善したという事例を読みました。今回の鈴木先生のお話しは、この内容と完全にリンクしており、腹に落ちるものがありました。
ただ難しいのは、どうやって睡眠時間を確保するかということです。10時間睡眠ですから、仮に夜9時に寝て朝7時に起きるとして、夜9時にふとんに入っても眠りに入るのはそれ以降ですから、9時に眠りに入るには、それ以前にふとんに入らなければなりません。ふとんに入ってすぐ寝る子もいれば、寝ない子もいるでしょう。ここでもまた、先生が言う「お子さまにあったオーダーメードの解決方法」が重要になってくるわけです。
それにしましても、いまの日本には、お子さまに10時間の連続睡眠を与えられる環境が整っているでしょうか。きょうの「親学塾」の質疑応答の時間では、参加した保護者の方からたくさんの質問が鈴木先生に寄せられたのですが、そのほとんどがお子さまの「睡眠」に関するものでした。それだけ、保護者の皆さまはお子さまの「睡眠」について関心が高く、それは同時に「不安」や「危機感」をも抱いているということの現れなのではないでしょうか。
きょうの保護者の方々の声は、日本という国を動かす方々にもぜひ耳を傾けていただきたい内容だと思いました。家族で夜をゆったりと過ごし、お子さまたちが十分な睡眠をとれるようになったら、この国はもっと良くなるように思えてなりません。
鈴木先生、本日はすばらしいご講演をいただき誠にありがとうございました。この場を借りて心より厚くお礼を申し上げます。
なお、最後に鈴木先生がおこなっている「子育てママのためのほっとステーション」についてご案内させていただきます。「子育てママのためのほっとステーション」では、鈴木先生が保護者の皆さまといっしょにお子さまの育ちについて「オーダーメイドの解決策」を探っていきます。場所は、神奈川区大野町の神奈川県私立幼稚園連合会。毎週火曜日と木曜日の開催です。詳細は、末尾にパンフレットを添付しますので、そちらをご参照ください。
というわけで、きょうの給食はこちらです。
カレーライス、ウィンナー、かにシュウマイ、ブロッコリー、パイン缶、419kcal
ごちそうさまでした。
きょうの鈴木先生のご講演を聴いて、思ったことがあります。いままでは、小学生のお子さまには「ちゃんと勉強してるかぁ?」と声をかけることが多かったのですが、これからは改めなければいけませんね。
「ちゃんと寝ているかぁ」。
では、よい休日を……。
また、明後日にお会いしましょう。
by jimjim