2023.03.13
今日のすぎのこ
「卒園式」をおこないました。
きょうは、令和4年度の卒園式をおこないました。ピークを過ぎたとはいえ、いまだ感染拡大が危惧される新型コロナウィルスへの対策から、卒園式はできるだけ「密」になることを避けるため、2クラスずつ午前と午後にわけておこなわれました。 午前の式は「ほし組」さんと「ゆき組」さん、午後の式は「にじ組」さんと「つき組」さんでおこなわれましたが、ここでは両者を織り交ぜてご紹介させていただきます。ご了承ください。
集合の時間に合わせて、正装(制服)に身を包んだお子さまたちが幼稚園の門をくぐります。きょうは、最後の登園。3年前は、この門の前で保護者の方と別れるのがつらくて涙していたお子さまも、いまでは颯爽と園庭を歩いていきます。 その園庭では、アンパンマンバス2台がそろってお出迎えです。1台は納入されたばかりの新車で、もう1台は約20年間にわたってお子さまたちを見守り続けた「ベテランくん」。 その「ベテランくん」も、実はもうすぐ杉之子幼稚園を「卒園」します。ですから、きょうはこの「ベテランくん」の「卒園式」でもあるわけですね。
1週間ほど前の「週間予報」から、きょうの天気は「雨」が予想されていたのですが、きょうはその予報どおりに雨が降ってしまいました。 午前の式では、式が終わったあとのお帰りのときに雨が降りはじめ、その雨は正午を過ぎても降り続きました。午後の式は、雨の中の登園となってしまいましたが、幸いなことに雨は終了前にはすっかりあがり、卒園生の皆さまは、こうして園庭での記念撮影にのぞむことができました。 記念撮影を終えて、集合場所である自分のお部屋に向かいますと……。
お部屋では、担任の先生はもちろん、補助の先生たちの協力も得て「身だしなみ」の最終チェックがなされます。そのチェックが済んだところで、最後の「朝の会」が開かれました。 「最後」とはいえ、いつもと変わらない「朝の会」の風景で、なんとなく「拍子抜け」ですが、あまり意識していないところがまた杉之子のお子さまたちらしくていいです。
さぁ、いよいよ「卒園式」の会場であるホールへと進みます。
でも、まったく緊張感は漂いません。イイ感じのリラックス具合です。
お子さまたちの入場が終わり、「卒園式」がはじまりました。 「はじめの言葉」「園歌斉唱」「園事報告」に続いて「証書授与」となります。 壇上で園長先生から「卒園証書」を受け取るお子さまたち。
この「証書授与」のあと、「園長の言葉」「理事長の言葉」「ひだまりの会会長の言葉」と続き、最後は「はじめの一歩」と「思い出のアルバム」の歌で締めくくられます。 お子さまたちの純粋な歌声を聴きながら、保護者の皆さまの心の中では、おそらく3年間のさまざまな思いが駆け巡ったのではないでしょうか。
振り返れば3年前……。この子たちの幼稚園生活を語るうえで、やはり避けては通れないのが「新型コロナウィルス」の感染拡大でした。この子たちの幼稚園生活は、3年前の感染拡大とともにはじまり、間もなく迎える5類への移行とともに卒園する、まさに新型コロナウィルスの感染拡大とともに歩んだ3年間でした。 「緊急事態宣言」の発令から、入園式は2か月遅れの6月に行われ、その後も「分散登園」や「臨時休園」などがありました。行事は、いままで「ふつう」におこなわれてきたことができなくなり、開催方法や時期などの見直しに追われました。 「バザー」は「マルシェ」となり、「お泊り保育」は「よるのようちえん」になりました。運動会は学年ごとになり、生活発表会はクラスごとになりました。「つくってたべよう」も、メニューが変更されましたね。いままで、何年もの間にわたって「あたりまえ」におこなわれていたことができなくなったことで、保護者の皆さまの中には、「なんで、この子たちのときに……」と、不満を抱かれた方も少なくなかったと思います。やむを得なかったこととはいえ、その点に関しましてはお詫びを申し上げたいと思います。 ただ、言い訳に聞こえてしまうかもしれませんが、このように行事の在り方を見直したことで、新たな発見ができたことも事実です。従来の内容では「過負荷」気味だった保護者の皆さま、お子さまたち、そしてスタッフへの負担が軽減され、以前よりもいっそうお子さまたちに近づき、寄り添い、じっくりと目を向けてあげられるようになったのは、間違いないように思います。 行事の「にぎわい」や「楽しさ」ももちろん大切ですが、一番大切なのは、それらの行事の中でお子さまたちが見せる「表情」を私たち大人が見守り、見逃さず、記憶にとどめることなのだと思います。行事の見直しは、その「余裕」を私たち大人に与えてくれたような気がします。 先日のブログで、「お子さまの成長とともに先生も成長し、それが杉之子幼稚園の成長につながっていく」と書きました。新型コロナウィルスに伴う行事や保育の見直しで、お子さまたちにはかなり不自由な思いをさせてしまいました。それでも、お子さまたちはいつも笑顔で先生を信じ、幼稚園に行くことが楽しいといって登園してきてくれました。私たちスタッフにとって、これほどうれしく、ありがたいことがあるでしょうか。 お子さまたちの純粋な「思い」に、私たちは応えていかなければなりません。それが、先生の成長につながり、杉之子幼稚園の成長につながると信じています。 話は少しそれてしまいますが、いまこの国では子どもの数は減少の一途をたどっています。それは、もしかしたらこの国が「子育てにやさしくない国」という印象があるからかもしれません。 杉之子幼稚園の保護者の皆さまは、子育てのプロといっても過言ではありません。どうかご近所で、街中で、そして日本のどこかで子育てに困っている方、悩んでいる方がいたら、やさしく手を差しのべていただけたらと思います。日本中、みんなが「子どもがいるって、こんなに素晴らしいことなんだ」と思えたら、それだけで幸せなことだと思います。
きょうは、保護者の皆さまからたくさんの「ありがとう」の言葉をいただきました。職員室の前の「ありがとうの木」も満開です。 でも、「ありがとう」は一方通行ではありません。私たちもまた、言葉にできないくらいの感謝の気持ちでいっぱいです。 あなたたちと出会えてよかった。保護者の皆さまにも出会えてよかった。もっともっと、一緒に過ごしたかったけど、きょうでそれもおしまいです。4月からはじまる新しい生活には、期待や楽しみがある一方で不安もあると思います。不安のない生活なんて、あり得ません。大切なのは、不安を一緒になって解決してくれる人を持つことです。 それは、おうちの人だったり、お友だちだったり、あるいは先生かもしれません。「人」とのつながりは、きっと人生を豊かにしてくれることでしょう。 新しい生活を思いっきり楽しんでください。そして、新しいお友だちもたくさんつくってください。 きょうは「お別れ」だけど、「お別れ」は「再会」のはじまりです。また、お会いできる日を楽しみにしています。 杉之子幼稚園に来てくれてありがとう。 そして、ご卒園おめでとうございます。 星の数ほどの感謝をこめて……。 by jimjim