2026.01.29

今日のすぎのこ

大竹英洋さんをお招きして「おはなし会」を開きました。

きょうは、大竹英洋先生をお招きして「おはなし会」を開催しました。大竹先生は、「写真家」であるとともに「絵本作家」でもあります。大竹先生が被写体として主に撮影しているのは、カナダのノースウッズに暮らす動物たち。その動物たちの中でも、大竹先生が特に強いこだわりを抱いて追い続けているのが、日本では絶滅してしまった「オオカミ」です。では、なぜ大竹先生は「オオカミ」に魅せられたのでしょう。その理由は、後ほどご紹介するとして、さっそく「おはなし会」のもようをお伝えしてまいりましょう。

 

きょうの「おはなし会」は、2部制で開かれました。第1部は全園児が対象で、第2部は参加を希望された保護者の方が対象でした。第1部は、満3歳児から5歳児が対象ですから、おはなしは主に動物さんたちの写真をスクリーンに映しながら進みました。

その写真が、また最高にすばらしい……。「リス」や「フクロウ」、「カナダガン」に「エリマキライチョウ」などなど、人がほとんど踏み込んだことがない大自然の中で暮らす生き物たちの姿が、次々とスクリーンに映し出されます。そのたびに、大竹先生からお子さまたちに「これは、何かわかる?」といった問いかけがあり、子どもたちも照明を落としたホールの中でわかるくらい、キラキラ光る瞳で応えていました。

 その中でも驚いたのは、オオカミについての問いかけでした。「オオカミは、日本にいるかな?」という大竹先生の問いかけに、お子さまたちが即座に「いない!!」と答えたんです。そう、「ニホンオオカミ」は絶滅してしまったんですよね。そのことを多くのお子さまたちが知っていたことには、ちょっと驚いてしまいました。 

森の中で暮らす動物たちの写真の合間には、ノースウッズでの大竹先生のキャンプのようすも紹介され、こちらもまたとても興味深い内容でした。真冬のノースウッズは、マイナス20℃を超えるといいます。そこで出会うのは、動物たちだけではありません。感動的ですらある朝焼けや夕焼け、満天の星空などの写真も紹介され、圧倒的な美しさにお子さまたちも思わず息を飲んでいました。過酷な環境で撮影を続ける大竹先生のベースキャンプは、まさしくそのような大自然の中にあるわけです。

 

テントの中には薪ストーブがあり、食事は湖のほとりで焚火にあたりながら……。大竹先生は、「まるで子どもの頃につくった「秘密基地」そのもので……」というお話をされていましたが、いまのお子さまたちには「秘密基地」自体が何かわからないかもしれません。Jimjimも、子どもの頃は近所の山の中に「秘密基地」をつくって、友だちと駄菓子を食べたり「かくれんぼ」をしたりしてあそびました。「秘密基地」は、その名のとおり自分たちだけの隠れ家だったんです。

大竹先生がご自身のテント生活を「秘密基地」と表現されるのには、そこが何よりも「楽しい場所」という思いがあるからなのだと思います。つまり、大竹先生にとりましては、「マイナス20℃なんて何の問題にもならないよ」ということなのでしょう。

こうして、大竹先生のお話しは、ノースウッズの大自然の中で生活する動物たちの姿を紹介しながら進んでいき、いよいよ終盤へ……。そして、「オオカミとの初めての出会い」の動画で第1部はクライマックスを迎えます。その動画を映す前に、大竹先生は「オオカミの遠吠え」をお子さまたちに披露しました。

 

「ワオーン……」。

この遠吠えには、オオカミを呼ぶための意味が込められているといいます。ノースウッズの森の中でオオカミの真新しい「足跡」を発見した大竹先生。ここで、「オオカミに出会う最大のチャンス」と踏んだ大竹先生は、森の中に向かって遠吠えを響かせます。

 すると……。

 スクリーンに映った動画の中に一頭の「オオカミ」が姿を現したんです。本物のオオカミです。大竹先生のお話しでは、この「オオカミ」は家族を守るオスで、大竹先生の遠吠えに違和感を覚えたのか、その後はいっさい姿を現さなかったそうです。日本では絶滅してしまった実際の「オオカミ」の映像を目の当たりにして、お子さまたちは心の中に何を感じたでしょうか。

この後、お子さまたちとの質疑応答を経て、「おはなし会」は第2部へと進みました。第2部の対象は、保護者の皆さま。保護者の皆さまは、第1部にも参加されていますので、第2部のお話しの内容は、大竹先生の「生き方」が主体となりました。

 そこには、大竹先生が高校生のときに進路に迷ったこと、ジャーナリストから自然へとテーマを変えた出来事、「オオカミ」を目指すきっかけとなった「夢」の話、師匠と仰ぐ人を追いかけてカナダに渡ったこと、挫折して写真家をあきらめたこと、そして復活のきっかけを与えてくれた人との出逢い……。

それらは、あまりにもプライベートなことなので、ここで書くことは控えさせていただきます。逆に言えば、大竹先生は今回の「おはなし会」でご自身のことを赤裸々にお話ししてくださったともいえます。それだけ、聴くほうにしてみますとインパクトの強い内容でした。

大竹先生のお話しから感じたことは、挫折があっても、それまで真剣に取り組んできたことは、決してムダにはならないということ。そして、人生は人との出逢いで流れが変わっていくということです。一生懸命に取り組めば、いつかきっと手を差しのべてくれる人があらわれる……。大竹先生のお話しには、そんなメッセージが込められていたのかもしれません。

最後になりますが、大竹先生が撮影した写真は、その11枚から伝わってくるものがあります。例えば、楓の木から溢れ出るメイプルシロップをなめるリスの写真からは、「おいしい」と感じるリスの気持ち、靄に包まれる湖畔の写真からは、その場の空気感など、写真をみているとまるで自分がその場にいるような気持にさえなってきます。それらの写真を収録したのが、下記の本です。

 絵本「もりはみている」、「もりのどうぶつ」
写真集:「THE NORTHWOODS」 土門拳賞受賞
著書:「そして、ぼくは旅に出た。はじまりの森ノースウッズ」 
梅棹忠夫・山と探険文学賞
日経ナショナルジオグラフィック写真賞ネイチャーネイチャー部門最優秀賞受賞

 ぜひ、書店で手にとってみてください。

大竹先生、きょうはすばらしいご講演をしてくださり誠にありがとうございました。また、ご参加くださった保護者の皆さまにも、この場を借りてお礼を申し上げます。大竹先生が、また杉之子幼稚園に来てくださることを心から願っています。

というわけで、きょうは暗いホールでのご講演でしたのでお子さまたちの写真はありません。どうか、ご了承ください。

最後に、きょうの給食はこちらです。きょうは、木曜日ですのでスペシャルメニューとして、あたたかな「けんちん汁」がふるまわれました。

 

たまごふりかけごはん、ハンバーグ、おからポテト、ちくわ天、切干大根のサラダ、みかん缶、あたたかなけんちん汁 412kcal

 ごちそうさまでした。

おっと……。大竹先生が、なぜ「オオカミ」に魅せられたのか、その理由をお伝えしていませんでしたね。それは、大竹先生が撮影する被写体のテーマで悩んでいた時期に、ふと夢の中に「オオカミ」が出てきたのだそうです。しかも、夢から覚めても、目の前にその「オオカミ」の顔がリアルに浮かび上がっていたとか……。このことがあって、大竹先生は「オオカミ」との縁を感じたのだそうです。「夢」に出てきたことが、大竹先生の人生を決めたわけですね。ひとつひとつの「夢」には、やはり意味があるのかもしれません。

 では、また明日お会いしましょう。

By jimjim

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